Kumiのグサッとささる読書!

管理人Kumiが日々読んだ本の中で「グサッ」と心に刺さった部分を中心に紹介していく、ゆる~いブログです。

『可動域を広げよ』 100年人生を豊かに生きる

第三回はこちら!

『可動域を広げよ』 齋藤 孝 著

 

おススメ度:☆☆☆☆

読みやすさ:☆☆☆☆☆

グサッとポイント

・定年後の男性の多くが、一日中テレビを見て過ごしている。

偏愛マップをつくることで自分の世界を視覚的に認識することができる。

・人と会うときは「刺激を一つ持ち帰ればよし」

 

実は齋藤先生の著作が大好きでして・・・

ものすごい量の書籍を出しておられるので、全てを読めているわけではないのですが、こちらは一番最近読んだ本になります~

齋藤先生の本は、グサッというより、ワクワクというほうが合う気がします。

知的で明るくて前向きになれる本が多いのでおススメです。

きっとこのブログでもたくさん紹介することになると思います。

 

仕事以外になにをする?

 人生100年時代・・・。長生きをしたい、頑張って働ききったらのんびり老後を過ごしたい。そんなことを漠然と思いながら日々仕事に追われている人も多いかと思います。ですが、いざ定年を迎えると、意外にもやることがなく、特に男性は一日中テレビを見て終わってしまう人も多いのだとか。

そういわれると、たしかに自分の祖父は一日中テレビを見ているだけです・・・。祖母は家事をしたり、スーパーに買い物をしたりしている分、一日中テレビってことはないんですけど。むしろ、病院の待合室で新しい友達を作ったり、家の前を掃除しているときにご近所さんと立ち話をしたり・・・。これって男女の差とかもあるんでしょうか?医学的な根拠はわかりませんが、男性のほうが一日中テレビになりがちになってしまうのは、感覚的に理解できる気がします。

 

偏愛マップで自分の世界を自覚しよう

老後の人生がそれなりに長いとすると、やはりなるべく充実した日々にしたいですよね。いざ仕事を終えて、さあ好きなことができるぞ!と思ったときに、「あれ?自分は何がしたいんだっけ?」とならないように、日頃から、自分の世界を広げて、好きなことを増やして、いろんなことを楽しめる、反応の良い心身を作っておこうよ!っていうのが、この本の趣旨だと思います。

その自分の「好き」を広げていくのに便利なのが、偏愛マップを作成すること、なんです!

 

特に有名なのが、イギリスの哲学者バーランド・ラッセルによる『幸福論』です。そこで説いているのは、「幸福には自分の内側を掘ってもなかなか出会えない。とにかく好奇心を持って意識を外の世界に向けよう。新しい出会いこそ幸福感をもたらす』ということです。

これは言い換えれば、「可動域をどんどん広げよう」ということにほかなりません。自分の見ている世界を固定化させず、もっと外を見なさい。すると出会いが増え、自分が活性化してくる。こういうプロセスです。自己とは内側に閉じていくものではなく、外側との接触面によって形成されるという考え方でしょう。

この具体策として齋藤先生が提案しているのが、偏愛マップという、A4の用紙一枚にとにかく自分の好きなものを列挙していく方法です。

え?ただそれだけ?って思われるかもしれませんが、これ、やってみると結構楽しいんです。

例えば、A4コピー用紙を横向きに置いて、とりあえず、好きだなと思うものをポツポツと中央に書いていきます。私の場合、「猫」「読書」「旅行」「漫画」「ディズニー」「声優」「紅茶」「料理」「音楽」などなど・・・

書いていくと、その中でも例えば「旅行だったらやっぱ温泉が好きだな~」など、より具体的な好みが見えてきたりして、さらに旅行の文字から線を伸ばして「温泉」と書きます。こんな風に書いていくとまさに自分の好みを図面におこしたようなマップができあがるんです。

それらの一つひとつは、すべて自分の外側にあるものです。しかし、並べてみると、全体として自分自身以外の何者でもないように見えてくるはずです。まったく同じものを並べる人は、おそらく世界中を探してもいないでしょう。

つまり、「自分」とは、自分のこういう世界を指すわけです。

(中略)自分の世界はできるだけ広げたほうがいい。それこそが、可動域を広げ続けるということです。

 この偏愛マップを毎年更新して、自分の世界が広がったのか、変わらなかったのか、もしくは狭まってしまったのか、確認することができます。

 

「痛気持ちいい」を目安に

自分の世界を広げることが大切なのはわかったけれど、じゃあ具体的にどうすればいいのか。そう思ったときに、目安となるのが「痛気持ちいい」感覚。体の可動域といえば、筋肉や関節の可動域を思い浮かべますよね。体をやわらかくしたければ、毎日痛気持ちいいくらいのストレッチを繰り返して、徐々に可動域を広げていきます。

自分の世界を広げると言う意味での可動域も同じなのだそうです。例えば、音楽が好きなら、自分が好きなアーティストやジャンルの曲ばかりでなく、ちょっと違ったものも試しに聴いてみる。流行のアイドルの曲を聴いてみたり、クラシックを聴いてみたり。ほんのちょびっとだけ、チャレンジしてみるんです。それを繰り返すことで、新しく好きなものに出会えたり、例え好きになれなかったとしても、経験値や知識としては残ります。そうすると、人との話題も増えます。

 

時間の感覚を改めよう

自分の世界を広げるには、フットワークの軽さもやはり重要なようです。

動き出すまでが超遅いフットワーク激重の私にとって、グサッというか、目からうろこというか、とにかく衝撃的だった言葉がこちら。

 

フットワークといえば、本来ならもっと軽くできるのに、思い込みで重くなっている人がきわめて多い気がします。

(中略)問題は仕事ではなく、時間に対するある種の思い込みにあるのではないでしょうか。

 

たとえば、忙しくて彼氏に会えない!と嘆いている人に対して、そもそも2~3時間なきゃ会えないと思うから会えないのでは?というのです。その感覚を、30分会えればよしとすれば、会えるようになると。

たしかに!!って思いました。笑

さすがに、30分程度なら、どんなに忙しくても作れる気がします。

 

職場が近ければランチの時間を合わせるとか、帰りがけにちょっとだけ会って話すとか、いくらでも工夫できるはず。時間の可動域が広がって、行動の選択肢が格段に広くなります。

私の場合、緊張しいなので、人とたくさん関わりたいと思うわりに、人と会うときにエネルギーを消耗してしまうのですが、30分だけと思えば気持ち的にも軽く、人に会える気がします。

 

人と会うときのハードルを低くしよう

もう一つ目からうろこだったのは、パーティーなどでは全員と知り合おうとするのではなく、一人と顔見知りになるくらいでいい、また、同窓会など楽しめるか不安な集まりなどでは、一つ刺激を持ち帰ればよし、とすることです。

可動域を広げるためには、やはりいろんな人と関わっていきたいところですが、そもそも私のような引っ込み思案には、大人数の中に入っていくことがすでに挑戦だったりして・・・。知ってる人いるかな、楽しめるかな、うまく会話に入れなくて一人ぼっちにならないかな・・・など考え始めると不安が膨らむばかり・・・。そういうときは、そもそもの合格基準を変えるんです。

 

同窓会にしろ立食パーティにしろ、人と会うことが面倒くさいと感じることもあるでしょう。それは自分をよく見せたいとか、話題がなくなって気まずく沈黙するのが嫌だとか、気疲れする部分が大きいと思います。

しかし、別によく見られなくてもいい、気まずくなるのもパーティのうちと覚悟を決めるくらいで、ちょうどいいのかもしれません。砂の中から一粒の砂金を見つけるつもりで、刺激を求めればいいでしょう。

 

 

一人の時間も確保して

どんどん外に出て、自分の可動域を広げていきたいところですが、そんなに動き回っていたら当然心のエネルギーも消耗します。誰しも、一人になりたい、引きこもっていたい、と思うことがあると思います。齋藤先生は、きちんと一日のルーティンの中に、一人になる時間を確保しているそうです。

 

あるいは生活のルーティンもある程度固定して、一人になる時間をしっかり確保するようにしています。例えば入浴時間を夜十時前後と決めて、飲みに行ってもその時間には帰宅する。つまり二次会には参加しないということです。

すると、それから寝るまでの数時間は、自分の自由に使えます。本を読んだり映画を見たりしながら、副交感神経を全開にできるわけです。こういう時間があるから、翌朝にはまた交感神経全開で世の中に立ち向かえる。この切り替えが、心身のコンディションを良好に保つ基本的な条件だと思います。

しっかり自分を休ませる時間を確保しつつ、ちょっとずつでも可動域を広げていきたいなと思いました~

 

第三回はここまで~

ありがとうございました。